一般質問③:女性に配慮した避難所対策について

第三回定例会で、きもと麻由が行った一般質問の原稿を掲載します。一番下に江戸川区からの回答要旨と、きもと麻由の解説を記載しています。

首都圏に大きな被害をもたらした関東大震災から今年で100年になります。近い将来必ず来るとされている首都直下型地震とそれに伴う大規模火災に備えるために、行政の「公助」、地域コミュニティの「共助」、自ら守る「自助」のそれぞれが必要とされています。区立小中学校にある避難所は全部で113か所ありますが、これらの運営は町会・自治会や自主防災組織等を中心とした地域住民が行う「共助」が主体となります。

このように自主運営が基本となる避難所ですが、東日本大震災や熊本地震の後、避難所での生活について、「女性だから」という理由で理不尽な目にあったり、女性特有の不便を感じることがあったとメディアで報道されました。これに対処するため、江戸川区では「避難所開設・運営マニュアル」を作成し、女性リーダーの設置や女性に配慮した運営を定めています。

一方で、今年の1月から始まった、えどがわ防災女性ミーティングの第一回アンケートでは「防災のリーダーシップをとる経験がない」と回答した人が70%もいる上、「町会のメンバーが男性中心である」「女性中心で参加できる防災イベントがない」というコメントが見られました。避難所開設・運営マニュアルで、避難所に女性リーダーや女性に配慮した運営を定めてはいても、113か所もある避難所で、いざという時にリーダーのなり手がいない、避難所運営に知識のある女性がいない、という事態が想定されます。そうならないために、いざという時、避難所開設・運営マニュアルに沿って、女性が避難所運営に積極的に参加できるように、江戸川区では今後どのような計画や施策があるのか、教えていただきたいと思います。

次に、避難所内での女性への性被害や暴力について、どのような対策を検討されているか伺います。残念なことに、災害時は性暴力やDVが増加すると言われています。避難所開設・運営マニュアルでは昼夜の一日二回の安全パトロールを定めていますが、それに加えて女性に配慮した防犯対策が必要ではないでしょうか。地域住民の助け合いで運営される避難所生活ですが、一方で安心して生活するためには、犯罪抑止や秩序維持も欠かせません。この点についての江戸川区の考え方を教えていただきたいと思います。

区の回答要旨:令和元年の台風19号の際に参集した職員789名のうち女性が571名と、72%が女性だった。避難所開設・運営マニュアルには女性配慮の視点と積極的な参画を反映させており、女性リーダーが生まれるような環境を作っていきたい。安全パトロールや女性に配慮したスペースの確保などこれからも女性視点を意識したい。

きもと麻由の解説:女性の区民は、防災のリーダーシップをとる経験が不足する一方、区の回答では、女性の区職員が避難所開設などの戦力として期待されています。現実的には、避難所の運営に当たっても女性職員が一部担っていくことになるのではないかと思います。

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