一般質問②:子宮頸がん(HPV)ワクチンの接種率向上

第三回定例会で、きもと麻由が行った一般質問の原稿を掲載します。一番下に江戸川区からの回答要旨ときもと麻由の解説を記載しています。

子宮頸がんはHPVと呼ばれるヒトパピローマウイルスによって引き起こされ、2020年時点で、年間1万人以上が子宮頸がんにかかり、約2800人が死亡しています。これらの多くはHPVワクチンを接種することで防げたと言われています。

皆さんもご記憶にあると思いますが、子宮頸がんワクチンと言われると、2013年にワクチン接種後の女性から運動障害や慢性疼痛などの副反応が出たと様々なメディアで報告され、厚生労働省は2020年まで積極的接種の差し控えを指示してきました。しかし、副反応の研究が進み、2021年にはさらに幅広い約90%の子宮頸がんを防ぐことができる9価ワクチン(シルガード9)が発売されたことで、厚生労働省も以前の方針を転換して、昨年よりワクチンを積極的接種を推し進めており、13歳になる女性に対してワクチンの予診票などの個別通知を再開しています。

しかし日本がワクチンの接種で足踏みしている間、世界では接種率が大幅に向上しており、オーストラリア、イギリス、カナダでは80%以上、隣の韓国でも70%以上がワクチンを接種しています。特にオーストラリアでは2028年には子宮頸がんを撲滅できると言われています。 翻って東京都では、昨年の接種率は36%と、約5年前の0%近くからはだいぶ増えてきましたが、世界的に見るとまだまだ少ない状況です。そこで、江戸川区でも、子宮頸がんワクチンの受診を増やすために、個別通知に加えて、SDGsフェスやプレコンセプションケア、その他女性が集まるイベントなどに出展するなどして周知を進めてほしいと思います。ワクチンの安全性についても専用のパンフレットを作り、もっと重点的に周知していただきたいです。

もう一点、ワクチンの接種率についても江戸川区のウェブサイトで継続的に公表していただきたいです。港区では同様の取り組みが始まっています。見えるデータがあることで、どのくらい進捗したかわかりやすいので、ぜひご検討をお願いします。

区の回答要旨:個別通知やはがきによる周知など、接種率向上に向けて取り組んできたが、より効果的な方法を検討し、さらに周知していきたい。HPVワクチンのメリットやデメリット、接種率はウェブサイトに掲載する。

きもと麻由の解説:HPVは性行為によって感染するため、初めての性交渉前に接種することが望ましく、若い人へのPRを進めることが大切です。また、現在は女の子が対象ですが、男の子へのHPVワクチン接種も、感染の広がりを抑える、自分が感染源にならないために、これから必要になってくると思われます。

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