江戸川区では、メタバース区役所やAIによる電話応対など、AIやデジタル技術を活用したサービスが広がっています。AIの進歩によって、区民サービスの向上や業務の効率化が期待される一方、何のために導入し、どのように活用していくのかが重要です。今回の代表質問では、AIの活用について3つの観点から質問しました。
きもと麻由の質問
AI施策の効果検証と適正な事業選択
AIの導入にあたっては、利用者数や費用対効果、従来の方法と比べた改善点などを十分に検討する必要があります。AIありきではなく、既存のシステムの改善も含めて、適切な方法を選ぶことが重要です。区ではどのような基準でAIの導入を判断し、導入後の効果を検証しているのか伺いました。
生成AIを活用した外国人住民への情報発信
区のホームページではAI翻訳が使われていますが、現状のレベルでは日本語を単純に外国語へ置き換えるだけで、日本独自の制度や仕組みが十分に伝わらないことがあります。生成AIによる下訳と、人による設計・検証を組み合わせることで、外国人住民にも理解しやすい文章にするなど、単なる翻訳から「伝わる情報発信」へ改善できないか質問しました。
契約・支出のチェックへのAI活用
行政では多くの契約や支払いが行われていますが、職員の目だけですべての誤りや不自然な処理を発見することには限界があります。AIやデータ分析などの技術を活用し、不適切な支出や事務処理のミスを防ぐとともに、職員の負担を軽減できないか提案しました。
区の回答
AI施策の導入と効果検証について
区では2026年4月に策定した基本方針やガイドラインに基づき、専門家の助言も受けながらAIの導入を進めています。導入時には妥当性や安全性、費用対効果などを審査し、導入1年後には運用状況や目標の達成度を確認。効果が乏しい場合には改善や見直しを行うとの回答でした。
外国人住民への情報発信について
区のホームページは民間事業者のAI翻訳サービスを利用しており、121言語に対応し、本区を含む22区で導入済みのシステムです。2025年度の外国語翻訳の利用回数は約27万回で、そのうち英語が約16万回と最も多くを占めています。生成AIを活用したより分かりやすい情報発信については、引き続き研究していくとの回答でした。
契約・支出のチェックについて
現在の財務会計システムにも一定のチェック機能があり、2028年度に稼働予定の新システムでは、さらに機能を充実させる方向で検討しているとのことです。AIによる自動的なエラー検知についても、今後の研究課題として取り組んでいくとの回答でした。
きもと麻由の見解
AIの活用について、区が導入時の審査や効果検証の仕組みを設けていることは確認できました。AIは魔法のツールではないので、しっかりと設計と検証を重ねて使えるものにしていく作業が必要です。
外国人住民への情報発信については、民間事業者による翻訳システムを利用している関係で、翻訳内容をすぐに変更できないことが分かりました。今後は、事業者への働きかけなどを通じて、AIプロンプトの最適化と人によるチェックを強化し、内容が正しく伝わることを重視した改善を期待しています。
また、契約・支出のチェックについては、2028年度の財務会計システム更新によって、チェック機能や業務効率の改善が期待されます。新しい技術を活かし、効率性と安全性を両立させながら、実際の行政課題の解決につながる取組みを進めてほしいと考えています。

