2026年6月23日の総務委員会(補正予算・議案審査)において、役目を終えた「旧日光林間学校」の解体工事の議案に関連し、今後の江戸川区における区外施設や特殊な公共施設の維持管理・長寿命化(延命化)のあり方についての質疑をご報告します。
旧日光林間学校は、閉校した後に約10年間もの間、事実上放置されていた時期がありました。その間に建物の老朽化や傷みが急激に進行してしまった結果、リフォームして再利用することが困難となり、今回の全面解体と多額の費用負担につながったと考えられます。
公共施設は、一度建てれば何十年にもわたり多額のメンテナンスコストがかかり、解体するにも億単位の税金と大量の産業廃棄物が発生します。この現実を「重い教訓」として捉え、今後の保全方針について2つの視点から質問を行いました。
質問1:区外の教育関連施設に「延命化プラン」はあるのか?
区が公表している「江戸川区小中学校施設改築の基本方針」や「公共施設再編整備計画」などを確認しましたが、区外施設についての適正な維持管理や延命化に関する具体的な記載が見受けられませんでした。今後、こうした特殊な施設も長寿命化のプランに含めていく方針があるのかを質問しました。
【きもと質問】 今後、区が保有する区外施設や同様の特殊な公共施設について、これらを長寿命化させるための「延命化プラン」を対象に含めていく方針はあるのか伺います。
【教育委員会参事答弁】 小中学校の施設改築の基本方針の中で延命化を打ち出してはいるが、今のところは「区内」の小中学校を対象とした基本方針となっている。(=区外の教育関連施設の延命化プランはまだないという認識でよいか、との再質問に対し「その通り」と答弁)
残念ながら、現時点では区外の教育関連施設を想定した具体的な延命化プランは存在しないことが明らかになりました。
質問2:建物の傷みを防ぎ、大切に使っていくための保全方針は?
方針が定まらないまま長期にわたって建物が傷むのを防ぐため、区内・区外を問わず、公共施設を適切に維持管理するための今後の計画について確認しました。
【きもと質問】 公共施設の適正な維持管理や建物の保全方針について、今後しっかりと検討・決定し、建物の傷みを防いで大切に使っていくための計画はあるのか伺います。
【計画課長答弁】 公共施設再編整備計画の中でも「適切な保全」をうたっており、区外施設に限ったことではなく、区内・区外合わせて取り組んでいる。それぞれの施設については、各施設の管理保全に関する計画があるため、それにのっとって考えていくものと捉えている。
質問3:スクラップ&ビルドから脱却し、他自治体との連携やリフォームを最優先にすべきでは?
人口減少社会に突入する中、これからは建物を建てては壊す「スクラップ・アンド・ビルド」の運用を見直すべきです。莫大な産業廃棄物による環境負荷を抑えるためにも、他自治体と施設をシェア(共同利用)する視点や、リフォームによる長寿命化を最優先の前提とすべきではないかと区の認識を問いました。
この質問に対しては、審議中の事業(解体工事)の範囲からやや離れているのではないかとの指摘が区側からあり、総務委員長からの交通整理もあったため、最終的に私の強い「意見・要望」として区側に伝える形をとりました。
【きもと麻由の意見・要望】日頃からの適切なメンテナンスと徹底した延命化を!
公共施設は一度建設すると、長期間にわたって維持管理の義務がどうしても発生します。この日光林間学校のように、役目を終えた後にも億単位の解体費用と大量の産業廃棄物という大きな負担を地域社会に残すことになります。
特に、建設コストや廃棄物処理費用が高騰しているこの時期まで解体工事が見送られ、結果的に費用が膨らんでしまったという現実は、区として重く受け止めなければなりません。
今後の公共施設運営においては、日頃からの適切な維持管理とメンテナンスを怠ることなく、今後はリフォームなどによる徹底した延命化を最優先に進めることを強く求めました。
今回の質疑を振り返って(一筆追記)
旧日光林間学校は、今回の議案が通れば本格的に解体工事が進められます。
しかし、10年間事実上放置されていた期間があり、公共施設の維持管理に対する考え方や、今後もし新たな林間学校が建設されるという計画になった場合にも施設を長く大切に使っていくこと、そのための「延命化プラン」について、議案を通す前にあらためて区の見解の確認をしました。
ですが、本来の所管である教育委員会からは明確な答弁が得られなかったため、計画課など他の部署からの答弁を受けることになりました。
大切な税金を投入して造る公共施設だからこそ、作った後の維持管理の責任の所在を明確にし、未来にツケを回さない仕組みづくりが必要です。今後も区内外を問わず、すべての公共施設のあり方を厳しい目でチェックしてまいります。

