2026年6月23日の総務委員会(補正予算・議案審査)において、今後の江戸川区の公共施設管理のあり方を大きく左右する「包括管理委託」の導入に向けた検討調査について質問しました。
包括管理委託とは、これまで施設ごとにバラバラに行っていた保守点検や小規模修繕などの窓口・管理業務を、民間の専門業者に一括してマネジメントしてもらう仕組みのことです。
区職員の負担を減らし、効率的な自治体経営を行うための先進的な取り組みですが、区民の大切な税金が使われる以上、「本当にコストは下がるのか?」「現場での混乱や、コストの不透明化は起きないのか?」という厳しい目線が必要です。
今回は、事前に区側から提供された資料をもとに、具体的な方針を引き出すため、3つの視点から質疑を行いました。
質問1:現状コストの把握と、具体的な「節約」の見通しは?
本事業の大きな目的の一つに「財政負担の軽減」が掲げられています。しかし、現在のコストが曖昧なままでは効果が測れません。現在対象施設にかかっている保守点検費、修繕費、区職員の人件費の総額と、民間に支払う「マネジメント費」を差し引いた上での具体的な節約見通しを正しました。
【きもと質問】 対象施設にかかっている保守点検や小規模修繕の費用、区職員の人件費の総額はいくらか。また、新たに発生する民間へのマネジメント費を差し引いた上で、具体的にどの程度の費用を節約できる想定なのか、見通しを教えてください。
【計画課長答弁】 対象施設や業務範囲によって費用や人件費、マネジメント費も大きく変動するため、「現時点でお示しできる数字は、残念ながら持っていない」というのが現状です。ただ、まさにその区としての見通し(削減効果など)を確実につけるために、今回の検討委託をご提案させていただいています。
現時点で具体的な数字が出てこなかったのは残念ですが、「今回の調査委託そのものが、財政効果を厳密に弾き出すためのものである」という前提を明確に確認することができました。今後の調査結果を厳しくチェックしていきます。
質問2:設計と現場の「ミスマッチ」による混乱を防ぐには?
今回の「導入方針や詳細設計を作る会社」と、将来「実際に現場の管理を担うビル管理業者など」は別々の会社になる想定です。設計上の理想と、現場の実務との間で齟齬(そご)が生じた場合、業務移行期に現場が混乱したり、責任の押し付け合いになったりするリスクがあります。
【きもと質問】 設計段階の想定と実際の現場運用との間で齟齬が生じた場合、どのように整合性をとるのか。混乱を防ぎ、責任の所在を明確にするための具体的な対応策を伺います。
【計画課長答弁】 実際の事業者を選定する際には、改めて「公募型プロポーザル(提案型公募)」を実施します。受託候補事業者は、自社で確実に運用可能なスキームに沿った提案をしてくるため、齟齬は生じないものと考えています。また、責任分界(どこまでが誰の責任か)のあり方についても、そのプロポーザルの中でしっかりとした提案を受けて決定していきます。
選定段階で民間事業者のノウハウや現実的な提案をはめ込んでいくという方針が示されました。とはいえ、事業者任せにせず、区がある程度の決まり(ガイドライン)を作る中で、責任の所在をあらかじめ明確にしていくよう、私からも改めて要望しました。
質問3:不適切契約の再発防止と、職員が「相談しやすい」環境づくり
区職員が不安なく職務に邁進できる体制の構築も、この事業の重要なテーマです。江戸川区で過去に起きた不適切契約事案の背景には、深刻な「技術者不足」があり、それが職員の過度な負担や不適切事案を招く一因となっていました。
【きもと質問】 今回の包括管理委託の導入によって、そうした事態を今後どのように防止し、健全な執行体制を整えていくのか、区の見解を教えてください。
【計画課長答弁】 包括管理委託を導入することで、比較的規模の小さい保守点検や修繕に関する業務負担が軽減されます。これによって、技術職をはじめとした区職員が、「本来担うべき中核業務(チェック機能や全体の統括など)に集中できるようになり」、適切な業務執行体制が確立できると考えています。
これまで不適切発注の件などで説明を受けてきた中で、私は「職員が現場で一人で抱え込み、周囲に相談できずに自己判断で進めざるをえなかった状況」こそが問題の本質だと感じていました。
今回の制度が、職員への「フォローアップ体制」として機能するのであれば、非常に意義のあるものです。事案ごとに状況が異なるためルール構築は非常に難しい作業になりますが、形だけの制度にせず、真に実効性のあるものにしていく必要があります。
【きもと麻由の意見・要望】想定した予算枠の範囲内で確実に運用が完結する仕組みを!
質疑の最後に、区に対して要望を申し上げました。
民間事業者にマネジメントを一括して委託する特性上、新たな経費(マネジメント費)が発生するだけでなく、中身のコスト管理が不透明になるという懸念は拭えません。
実務がスタートした後に、「予期せぬ修繕が必要になった」などと言われ、毎年のように追加の予算計上が繰り返され、結果的に「当初の想定より予算の足が出てしまった」という事態は、区民への説明責任の観点からも断じて避けるべきです。
詳細設計の段階から厳格なシミュレーションを行い、当初想定した予算枠の範囲内で確実に運用が完結する仕組み(リスク分担や修繕範囲の境界線の明確化)を構築することを強く求めました。
区民の大切な税金を守りつつ、働く職員が健全に、そして効果的に維持管理を行えるクリーンな仕組みになるよう、これからも実務の進捗を厳しく注視してまいります。

